お子さんを亡くしたとき     受けられるサポートについて   

 医療機関にて   退院後のその他の専門職によるサポート
 セルフヘルプグループなどのサポ―ト   セルフサポートの方法

 医療機関にて
入院中:赤ちゃんとのお別れまでにできることがいくつかあります。
    気になること、してみたいことなどがあったら、
    担当の助産師さんや看護師さんに尋ねてみましょう。
    医療機関には、あなたとあなたのお子さんのことを気にかけてくれている人
    たちが、きっといます。 

退院時:帰宅後の生活や、体のことで不安なことなどあったら、遠慮せず尋ねてみま
    しょう。退院後に連絡したい時の相談制度や連絡先について、教えてくれる
    場合があります。

退院後:心や体のことで、心配なことが起きたら、我慢せず、一か月健診以前でも、
    問い合わせてみましょう。 

自宅で静養中:十分や睡眠や食事がとれないとき、産科の先生や助産師さんに相談し
    てみましょう。
    他科(心療内科等)を受診する人も増えています。


 退院後その他の専門職によるサポート
保健所:地域によっては、産後の保健師さんの訪問があります。このときも、遠慮せ
    ず、今の気持ちや体のこと等相談してみましょう。 
 
カウンセリング:今の気持ちを話すことで、楽になることがあります。
    周産期の死別に詳しい心理の専門家のカウンセリングを受ける事は、気持ち
    の変化につながる場合があります。
    
相談機関:カウンセラーやソーシャルワーカー等の相談援助職に、話を聴いてもらう
    ことも可能です。(地域の男女共同参画センター、女性相談制度、心の相談
    窓口など、行政で解説している相談窓口があります。)



 セルフヘルプグループや周囲の人びとからのサポート
グループシェアリング(分かち合いの会):
    約束事(ルール)のある分かち合いの会を開催しているセルフヘルプグルー
    プが、地域で援助活動をしています。グループ経験や、訓練を積んだファシ
    リテーターが、参加者の状況に配慮しながら司会進行を務めます。
    会場の設営など、様々な点に、配慮しながら運営されています。
    この場では、同じ体験をした人と気兼ねなく話し合うことができます。
    話すことで、気持がホッとすることがあります。
    過去に経験してきた人の話からは、日々の過ごしかたや、供養の方法など、
    身近な参考になる情報を聞くことができます。
   
 (天使がくれた出会いネットワークに参加しているセルフヘルプグループは、分かち合いのため
     の勉強を重ね、適切に、会を運営しています。)


オフ会:インターネット上で、知り合った人が、集まって自由に話し合います。
    気持ちのふれあいが楽しい場合もありますが、体験直後の気持ちの浮き沈み
    の激しい時期は、参加することに体力がいりますので、注意が必要です。
    グループシェアリングと同様の効果が得られる場合もあります。

インターネット(掲示板・ブログ):
    自宅にいても、様々な体験を知ることができたり、遠くの人とも交流するこ
    とができます。お互い、気持ちの繊細な時期であることに注意しましょう。
    言葉使いや、表現に気を配ることが必要です。思いがけず、相手の心を傷つ
    けてしまうことがあるかもしれません。その時は、素直に謝ることで、関係
    を修復できることもあります。お互いを思いやる気持ちも大切です。

ごく親しい人に話す:
    少し落ち着いたら、話を聴いてくれる人が身近にいたら、赤ちゃんのことを
    話してみてもいいかもしれません。(だたしこれは、少し勇気がいることで
    す。きちんと受け止めてもらえるかどうか、難しいときもあります。)
    亡くなった赤ちゃんが存在したことをちゃんとうけとめてくれる人や、
    赤ちゃんを亡くしたご家族のことを気にかけている人は、専門職以外でも
    あなたの周囲にいるかもしれません。


    自分の声に出して、赤ちゃんのことを語るということは、ご両親にとって、
    とても大切な事だと、私たちは考えています。

※天使の保護者ルカの会では、体験者の経験をもとに、サポートグループやグリーフ・カウンセリングの活動を行っています。
※WAISでは定期的に わかち合いの会を開催しています。

セルフ・サポート の方法
自宅療養時:
    気持ちの大きな揺れは、3か月くらい続くことがあります。
    悲しみだけでなく、怒りや孤独感など、これまでに感じたことの無い様々な
    感情が生まれるかもしれません。
    その感情は、時間の経過とともに少しずつ変わっていく可能性があります。
    その時々の気持ちを、ノートなどに記録することは、気持を落ち着けるのに
    役立つ場合があります。

    亡くなった命のために、親としてできることがあります。してみたいことが
    あったら、トライしてみてください。
    (
WAIS発行の冊子「あなたにできること、あなただからできること」には、こうしたとき
     にできることの例が 掲載されています。)

    
 健康面では、産後や術後の体の回復状態を自分で管理する必要があります。
    
    体験後一年間ぐらいは、様々な気持ちの変動があり、感情に波があります。
    時には、冷静でいられないこともあります。
    大きな決断を要することは、避けたほうがいいとも言われています。

職場への復帰:
    こころにつらい経験をした後なので、復帰については、慎重であっても構い
    ません。
    仕事をすることで、気持ちが紛れたという人もいます。
    しかし、悲しみの状態や職場環境などの影響もあるので、産後すぐの復帰が
    適切かどうか、一概には言えません。
    上司や同僚に相談できる場合は、話してみましょう。
    職場によっては、仕事の内容を変えてもらう、配置を変えてもらう、就業時
    間を短縮してもらうなど、配慮をうけたケースがありました。

夫婦でサポートし合う

    二人の間の子供を失ったのに、父親と母親では、悲しみの感情や、気持のあ
    り方は、違っている場合が多いようです。
    すぐには、赤ちゃんのことを話し合えないというケースも良くあります。
    でも、お互いの中には、「経験」したこと、子供への想いが存在します。
    それぞれのペースで、赤ちゃんと向かい合う時間が必要です。
    時間はかかるかもしれませんが、いつか、ゆっくりと話し合える時が来るこ
    とでしょう。
    その日まで、しばらくの間、急がずお互いを見守ってもいいでしょう。  
    ご夫妻は、お互いと真正面から向き合うというより、静かに並んで同じ方向
    を見るような形でもいいのです。

    特別な何かをしなくても、お互いが、そっとそばにいる事も、
                       サポートの一つの形です。


                        

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